西村内科脳神経外科病院

応急処置(手当

 
 応急処置
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応急処置(おうきゅうしょち)とは負傷や急病などに対してのさしあたっての手当てを指す。
厳密にいえば応急処置は救急隊員が行なう行為と定義されているため、一般市民(バイスタンダー)
が行なうものは応急手当(おうきゅうてあて、first aid)と呼ぶことになっている。

広義では、応急処置(手当)に止血法+心肺蘇生法も含まれるが、止血法+心肺蘇生法に関
しては現在は救命処置(手当)と呼んで、より緊急性が高いため応急処置とは区別されている。

なお、応急手当・救命手当は怪我や病気を治療する行為(医療行為)ではない。あくまでも、
負傷者や急病人を医師等に引き渡すまでの間に症状を悪化させないための一時的な措置である
ことに注意しなければならない。

応急手当・救命手当は、医療行為とは異なり、公的資格や救急法講習修了証の有無等は関係
なく、人間として誰もが知っておかなければならない基本的な知識・技術と言える。
しかし日本では一般市民への応急手当・救命手当の普及教育が遅れているため、いまだに
「下手に手出しをするな」という風潮が強く存在する。これは手を出した時点で、刑法上の
「保護責任者」とされる事も原因となっている。ただし、応急手当・救命手当に関しては
後述の「善きサマリア人の法」に相当する免責規定が日本の民法上にも存在するので、
行うことに躊躇すべきではないとの意見が強い。

特に呼吸停止・循環停止は分単位で不可逆的な脳損傷を起し、救急隊員到着を待っていては
手遅れになることが多い。そのため心肺停止者には躊躇することなく心臓マッサージと
人工呼吸(必要があればAEDの使用もあわせて)を実施する必要がある。

 
1)  基本的な心得
      応急処置で重要なことは、二次災害を防ぐことと、人命救助の勇気を持つことである。
      自身の安全を確保した後、勇気を持って積極的に対処する必要がある。

    なるべく一人では対処しない。 
      付近にいる人間に負傷者が居ることを先ず知らせる必要がある。もし、医師・看護師
      などの有資格者がいれば、より的確な対応が可能となる。どうしても周囲に誰もいな
      ければ、自身が対処することとなる。 
   不用意に負傷者に近づかない。 
      負傷者の発生した原因が明確でない状態で接近してはならない。有毒ガス・酸欠・
      感電などであれば、負傷者に接近・触れただけで発見者も被害を受ける可能性があり、
      二次災害となる。周辺の状況を確認し、自身の安全をまず確保する必要がある。
      交通事故などの場合、道路上に倒れている負傷者を移動させるにも危険がある場合
      がある。また、移動させるべきかどうかも判断が必要である。頚椎を保護して移動
      させたりするには知識も機材も必要になる。車に閉じ込められている場合、炎上の
      危険も考えなければならない。 
   消防へ通報する。 
      現場の状況を的確に連絡し、可能な応急手当・救命手当について指示・助言を得る
     (119番を受ける担当者も消防吏員である)。四囲(周囲)の状況から可能なことと
      不可能なことがあり、落ち着いて対応する為にも速やかに連絡を取る必要がある。 
   救命講習を受講しておく。 
     公的講習 
     病院や消防本部・消防署の多くでは、応急・救命手当の方法に関する講習会
    (救命講習 半日掛ける「普通」レベルと一日掛ける「上級」があるが、上級講習を
     行なう機関は少ない)を開催している。心配なく応急処置を行うためにも、これらの
     講習を受講しておきたい。 
  一般の人でも「応急手当普及員」の認定を取得すれば単独での救命講習ができるだけで
    なく、消防本部・消防庁などが発行する公式の修了証を授与できるので、救急隊員に
    よる講習だけでは追いつかないとされる現状では一般の人による取得が奨励されている。 
    また日本赤十字社が主催する赤十字救急法救急員講習を受講しておくことも万が一の際
    に応急手当を行なうのに有用であると考えられる。赤十字救急法救急員養成講習では、
    急病や事故、災害時等を想定した応急手当・救命手当を幅広く学べる。 
民間講習 
    日本国内での民間講習はあまり多くはないが、メディックファーストエイド (MFA) や、
    エマージェンシーファーストレスポンス(EFR) 、国際救命救急協会など、アメリカに
    設置母体をおく民間救急法普及団体の講習会が開催されている。 
人命を救う勇気を持つ。 
    心臓や呼吸が停止している場合、そのまま放置しておくと間違いなく死亡する。救急車
    が到着するまでに何らかの応急処置を施すだけで、傷病者の生存率は極めて高くなる。
    自身の安全が確保・確認されれば、人の命を救う勇気を持って、躊躇せずに救命手当
    を実施することが必要不可欠である。 
    仮に救命手当を施して、蘇生後に何らかの身体傷害が残ったとしても、善意に基づく
    ものであれば、日本では、民事上も刑事上も免責されるとするのが法学者の通説
   (緊急避難行為)であり、警察庁や総務省消防庁、厚生労働省、日本医師会、
    日本赤十字社などが共同で編纂した『救急蘇生法の指針』においても免責がはっきり
   と謳われている。多くの欧米諸国では、応急処置に伴う免責を規定する「善きサマリア
   人の法」(英:good Samaritan law)と呼ばれる法令が整備されており、積極的な
   応急処置の推進の一助となっている。 


関連項目

救急医学 
救急医 
救急救命士 
赤十字救急法救急員 
応急手当普及員 
救命講習  
心肺蘇生法  
AED→自動体外式除細動器 
国際ガイドライン2005 
アメリカ心臓協会 
救命の連鎖 
カーラーの救命曲線 
善きサマリア人の法 
RICEの法則 

参考・関連文献
改訂版・応急手当講習テキスト(東京法令出版) 
AED追補版・応急手当講習テキスト(東京法令出版) 
改訂3版・救急蘇生法の指針・市民用(へるす出版、2006年) 
改訂3版・救急蘇生法の指針・市民用解説編(へるす出版、2006年) 
救急法講習教本(日本赤十字社、平成15年) 
知っていれば安心ですーAEDの使用に関する救急法ー(日本赤十字社、平成17年) 
赤十字救急法基礎講習教本(日本赤十字社、平成19年) 
赤十字救急法講習教本(日本赤十字社、平成19年) 

生活密着情報(消防庁サイト内) 
応急手当の基礎知識(PDFファイル) 
名取市消防本部 応急処置マニュアル