西村内科脳神経外科病院

循環器科とは

 
         
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循環器学(じゅんかんきがく、英Cardiology)とは、人体の心臓および血管等の循環器
(Circulatory)系を中心に診療研究する内科学の一分野です。

語源でもある「Cardiology(心臓学)」という名称からわかりように、主に心臓を研究する分野
として発展しました。主な学説に血液循環説等があります。 胸部外科学と連携して治療にあたることもあります。

ここでは、 症候 、病態 、虚血性心疾患 、不整脈 、弁膜症 、先天性心疾患 、心筋症 、感染性疾患 
血管疾患 ( 動脈性疾患 、大型動脈の疾患 、中型動脈の疾患 、小型動脈の疾患 、静脈性疾患) 
心膜疾患 、 血圧の異常 、検査 などについてコメントします。
 

主な症候には
     心雑音 
     心不全 
     動悸 
     チアノーゼ  
     チアノ−ゼ性心疾患 
     検査は、血液検査では二次性赤血球増加症を伴うのでDNA代謝産物である尿酸が蓄積して
         高尿酸血症を呈します。 心房細動(Af) 等があります。
病態
     右室負荷 
     右室負荷(うしつふか)は右室に負荷がかかった病態。 
     検査 
     聴診ではII音肺動脈成分IIpが大きく聞こえる。 

虚血性心疾患
     冠動脈疾患 
     狭心症・心筋梗塞といった冠動脈疾患がみられます。
     カテーテルという細い管を手や足の血管から心臓に進めて診断、治療を行います。 

不整脈
     頻脈・徐脈・心房細動と入った心臓の動作が異常な疾患がみられます。
     診断や治療は、心電図判読や抗不整脈薬の投与が中心になります。
     近年ではカテーテルアブレーション法という治療法も確立しています。
     心室頻拍(VT)や心室細動(Vf)に対しては植え込み型除細動器(Implantable Cardioverter
      Defibrillator ICD)の挿入が行われています。 

弁膜症
     弁膜症は、心臓の中にある弁が正常に機能しなくなる疾患の総称です。弁膜性心疾患ともいいます。

先天性心疾患
     心房中隔欠損症(ASD)(ICD-10: Q21.1) 
     心室中隔欠損症(VSD)(ICD-10: Q21.0) 
     右心室と左心室を隔てる心室中隔に穴が開いた病気です。
     短絡性心疾患の一つです。
     病態は、心臓は左室系のほうが右室系よりも高圧なので、血液が左心房から右心房へ流れる左右
     短絡が生じて、肺高血圧を来たします。
     症状は、心室系は心房系よりも高圧系なので心房中隔欠損症よりも圧が高く、欠損孔を通過する
     血流がジェット流を生み出す結果、心内膜に傷が付き、感染性心内膜炎を起こしやすいのです。
     検査は、静脈カテーテルで右心房血から右心室血への血中酸素飽和度の上昇が認められます。
     治療は、手術療法があるります。
     手術療法は、人工心肺を用いて血液を体外循環している間に開胸開心して心室中隔欠損孔を閉じます。
     副作用は、心室中隔にはプルキンエ線維が走っているため完全房室ブロックを起こす事があります。 

心内膜床欠損症(ECD)(房室中隔欠損症)(ICD-10: Q21.2) 
     病態は、心房中隔欠損と心室中隔欠損と僧帽弁閉鎖不全と三尖弁閉鎖不全を併せた状態です。
     短絡性心疾患の一つです。
     発生の段階で僧帽弁前尖が割れます。
     症状は、ダウン症を合併しやすいと考えられます。
     検査は、静脈カテーテルで右心房血から右心室血への血中酸素飽和度の上昇を認めます。
     治療は、手術療法があります。手術療法は、人工心肺を用いて血液を体外循環している間に開胸
     開心して、僧帽弁や三尖弁と言った房室弁を修復して、中隔欠損部を縫い合わせます。
     しかし術後も房室弁の閉鎖不全は残りやすく、副作用として刺激伝導系の損傷も多いようです。 

エブステイン奇形(ICD-10: Q22) 
     症状は、心房中隔欠損症を合併することが多く、右左短絡が生じてチアノ−ゼを来たします。
     チアノ−ゼ性心疾患の一つです。治療は手術療法を行います。この手術は三尖弁挙上転位術
    (Hardy法)といいます。 

単心室(ICD-10: Q20.4) 
     右心室と左心室を隔てる心室中隔が極めて少なく欠損孔が大きい先天性の心臓の病気で、短絡性
     心疾患の一つです。
     症状は、左右短絡が生じて肺高血圧を来たし、右左短絡が生じてチアノ−ゼを来たします。
     チアノ−ゼ性心疾患の一つです。
 
左心低形成(ICD-10: Q23.4) 
     左心の発達が不十分な病気です。治療は、Norwood手術や、心移植等を行います。予後は不良です。 

ファロー四徴症(TOF) 

総肺静脈還流異常症(ICD-10: Q26.2) 
     病態は、右房負荷が掛かり、右室肥大を来たします。 

動脈管開存症 (PDA) (ICD-10: Q25.0) 
     動脈管開存症(どうみゃくかんかいぞんしょう)は動脈管が出生後も開存した病気です。 
     概念 
     先天性血管疾患の一つです。胎児期に肺動脈と大動脈を結ぶ動脈管が出生後も閉じずに開存しています。
     胎児循環に於いては右心系の方が新鮮な動脈血を持っているので、動脈管を介して動脈血を体循環側へ
     右左短絡をして、中枢神経系の成長を促します。短絡性心疾患の一つです。 
     病態 
     心臓は左室系のほうが右室系よりも高圧なので、大動脈から肺動脈へ左右短絡が生じて、肺循環から
     帰ってきた血液が再び左心室から駆出される為に左心負荷を来たすことになります。 
     検査 
     身体基本検査 
     聴診 
     III音 : 収縮期に左心室から出た血液が動脈管を通って肺動脈へ流れ、その分だけ左心房容量が多くなり、
     その分だけ拡張早期に左心房から勢いよく来た血液が左心室壁を振動させる事で生じます。 
     静脈カテーテル検査 
     右心室血から肺動脈血への血中酸素飽和度の上昇が認められます。 
     治療 
     根治療法として、手術療法を行います。手術は、開胸術ではなく血管内カテーテル手術で行います。
     この血管内カテーテル手術はPorstmann法と呼ばれ、中心静脈からカテーテルを入れて、順行性に
     右心房、右心室、肺動脈、動脈管へ向かい、開存した動脈管を閉じます。他の手術法として、
     開胸して動脈管を糸で縛る動脈管結紮術もあります。 

大動脈縮窄症 
     大動脈弓/胸部下行大動脈移行部での限局的な狭窄。他の心奇形を合併することも多いが、単純型
     で無症状のものは成人になって上半身の高血圧で発見されることもあります。 

完全大血管転位症(TGA、TAG)(ICD-10: Q20.3) 
     左心室から肺動脈が出て、右心室から大動脈が出る先天性の心臓と血管の病気。短絡性心疾患
     の一つです。本来なら左心室から大動脈が出て右心室から肺動脈が出ます。発生の段階で奇形
     が生じます。
     このままでは体循環と肺循環が繋がっていない為出生できませんが、心房中隔欠損症を合併する
     ことが多く、ここで両循環血が混合する場合は出生できます。
     分類はI, II, III型に分けられます。
     症状は、左心室から肺動脈が出る為に左右短絡が生じて肺高血圧来たし、右心室から大動脈が
     出る為に右左短絡が生じてチアノ−ゼを来たします。チアノ−ゼ性心疾患の一つです。
     特にI, III型で右室肥大、II型で両室肥大を来たす。治療は手術療法によって根治できます。
     この手術はJatene手術と言う血流転換手術で、人工心肺を用いて血液を体外循環している間に
     開胸して、大動脈と肺動脈を切って付け替えます。 

心筋症
     特発性拡張型心筋症 
     心筋が薄く伸びて心臓の内腔半径も外形半径も大きくなる病気です。病態は、左心室が全体的
     に収縮力を失っています。 

肥大型心筋症 
     心筋が変性して心臓の内側へ厚くなり、心臓の内腔の半径が小さくなる病気です。
     分類は、閉塞性肥大型心筋症(HOCM)、等に分けられます。検査は、針生体組織検査では心臓の
     筋肉細胞の向きがばらばらになった錯綜配列が肥大型心筋症に特徴的に認められ、心臓超音波
     検査では左室流出路狭窄に伴って僧帽弁前尖を支える乳頭筋が前方偏位することによって起こる
     僧帽弁の収縮期前方運動(SAM)や大動脈弁の収縮中期半閉鎖や左心室壁の非対称性肥厚(ASH)が
     認められます。 

閉塞性肥大型心筋症(HOCM) 
     肥大した心筋で心臓の出口が塞がる病気です。 
     病態は、左心室の出口である左室流出路が肥大した心筋により狭窄しています。 
     症状は、左室流出路狭窄による胸(前胸部)の痛み、等があります。 
     検査 
     聴診では、III音やIV音を認めることから奔馬性リズム(ギャロップ)が認められまする。
     静脈還流量を増やすと狭窄が緩和されて心雑音が減り静脈還流量が減ると狭窄が高度になって
     心雑音があがる点が、他の弁膜症疾患と対照的です。 
     心臓超音波検査では心室中隔が左室後壁よりも1.3倍以上厚くなる非対称性肥厚(ASH)が認められます。 
     左室造影検査では収縮期に左心室内腔が極端に狭くなる舌状所見が認められます。
     脈波は二峰性脈が認められます。 
     心臓カテ−テル検査では左室流出路の前後で血圧較差が見られます。
     心室期外収縮があると本来次に来る筈の収縮は不応期によって無くなり、次の次の収縮が予定通り
     やって来る事があります。すると期外収縮からおよそ1.5回分の拡張期を使ってパワーを貯めるので、
     期外収縮後の収縮は通常よりも強力に起きます。これを期外収縮後増強と言います。
     期外収縮後増強によって収縮力が高まると流出路狭窄は更に高度になり、左室内圧がとても高くなる一方、
     大動脈圧は低下します。この期外収縮後の圧較差をブロッケンブロー現象と言います。 
     治療は、左心室内腔を拡めるようにする。左心室内腔を拡めるには収縮を弱めたり、血流量を増や
     したりします。
     心筋収縮力をあげるβ受容体刺激薬やジギタリスは禁忌であるし、静脈拡張により血液還流量を減らす
     ニトログリセリンも良くありません。保存的治療法には化学療法があります。化学療法では心筋収縮力
     を弱める為にβ受容体斜断薬やカルシウム拮抗薬を用います。保存的療法では症状の改善が得られない
     場合は手術療法を行います。
     手術は心房と心室を同期してペーシングするDDDペースメーカーの埋め込みや、経皮的に挿入した
     カテーテルにより選択的に冠動脈(左前下行枝から分岐する中隔枝)へアルコールを注入し人為的に
     心筋梗塞を起こし、心筋を菲薄化し流出路狭窄を改善させる経皮的心筋焼却術(PTSMA)等を行います。 

感染性疾患
    感染性心内膜炎 
    心臓の内側に細菌が感染し、心臓弁の穿孔等を起こします。原因菌は口腔内常在菌の緑色連鎖球菌です。
    多くは心臓内でジェット血流を生み出すような先天性疾患患者が掛かります。検査は動脈血採血を何回か行い
    原因菌の同定と抗生剤の感受性検査を行います。特に発熱時に検出率が上がるという事はありません。
    治療は感受性のある抗生剤を4週間ほど静脈注射をします。弁疣贅が大きい場合は手術で切除することもあります。 

急性心筋炎 
    収縮性心膜炎 

梅毒性大動脈炎 
    梅毒性大動脈炎(ばいどくせいだいどうみゃくえん)は、梅毒感染による大動脈炎です。 
    原因 
    梅毒感染第4期 
    病態 
    上行性大動脈に動脈炎が生じます。 

血管疾患

動脈性疾患

大型動脈の疾患

梅毒性大動脈炎 
大動脈炎症候群(高安病、高安動脈炎) 
検査 
基本的身体検査 
鎖骨下動脈の狭窄などにより血圧に左右差が生じる。 
血清生化学検査 
赤血球沈降速度が亢進、CRP陽性、等の炎症所見が認められる。 

大動脈瘤 

解離性大動脈瘤(ICD-10:I71.0) 
     大動脈の中膜に血液が入り込んで内膜と外膜を引き裂き、外膜が突出したものです。
     内膜と外膜が引き裂かれた状態から解離性と名がつきました。解離部位が広範囲に及ぶ場合は
     外膜の突出もなだらかになり瘤状ではなくなるが、本症に含まれます。 
     病態は、大動脈内膜の一部が傷ついて血液が溢れ出すものの外膜が破れない場合に、血液が中膜
     を引き裂きながら進むものです。 
     原因は、動脈内膜がもろくなる動脈硬化、梅毒、マルファン症候群、等があります。 
     症状は、突然始まる強い胸(背部)痛。その後中膜が上から下へ引き裂かれるのに伴って、
     ぴりぴりと引き裂かれるような痛みが上から下へ発生していきます。 
     分類は、ドゥベーキー分類やスタンフォード分類等があります。 
     検査は、造影CT検査では大動脈の中膜と外膜の間に溜まった血腫が認められます。
     血腫が溜まった腔は本来の血管腔では無いので偽腔と言います。偽腔は血管腔よりも造影剤の出入り
     が少ないので薄く見えます。 
     治療 
     初期治療は、血圧を低くすることと不整脈による血圧の不安定を予防する為に、β遮断薬を用います。 
     根治治療は、手術療法を行います。上行大動脈の解離を含むドゥベーキーI型・II型・スタンフォード
     A型は破裂の危険性が高いため緊急手術を行います。 

胸部大動脈瘤(ICD-10:I71) 
     胸部大動脈にできた瘤。 
     検査 
     基本的身体所見では、声帯の運動をつかさどっている左反回神経期が大動脈弓をぐるっと反回するので
     声がかすれる嗄声、物が飲み込みにくい嚥下障害、胸背部違和感、等があります。 
     胸部レントゲン写真では、心臓の左第1弓の突出が見られます。 
     胸部造影CT検査では、瘤の状態が詳細に観察されます。 
     診断は、CTやMRIにより径の拡張が認められれば確定診断となります。 

腹部大動脈瘤 
     腹部大動脈にできた瘤 
     統計では、腎動脈分岐部より末梢側に95%が発症します。 

閉塞性血栓血管炎(へいそくせいけっせんけっかんえん、ビュルガー病、バージャー病、Buerger病)(ICD-10:I73.1) 
     末梢血管に炎症が起こって閉塞する病気。 
     原因は不明ですが、喫煙によって増悪し禁煙によって寛解します。 
     統計上は、20才〜40歳の男性に好発します。 

中型動脈の疾患
     結節性多発動脈炎 

小型動脈の疾患
     ウェゲナー肉芽腫症 

静脈性疾患
     深部静脈血栓症 

心膜疾患
     心膜炎 
     心膜炎(しんまくえん)は、心外膜に炎症が起こる病気です。 
     病態 
     心外膜は心臓が潤滑に動くための潤滑剤である心膜液を入れる心膜腔を形作る膜なので、
     心外膜に炎症が起こると心臓の動きが制限されます。 
     分類 
     急性心膜炎 
     収縮性心膜炎 
     心タンポナーデ 

     血圧の異常
     高血圧 
     低血圧 

 

参考文献: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』